

ドローンは日常生活の中で身近な存在になったものの、轟音を伴ってプロペラを回す無機質な様に恐怖心を抱く人もいます。しかし、未来ではドローンはより一層さまざまなシーンで活用されている可能性があります。そのとき、どのような形であればドローンが社会に浸透していくのでしょうか。本作では、身体性を与えることで、親しみやすさが導入されたドローンありきのありえるかもしれない社会風景を鑑賞することができます。
飛行大学SFCは、「世界中の好きな場所から自分の分身となるドローンで出席可能な大学があったら、どのような授業風景がありえるのか」というスペキュラティブな妄想から制作がスタートしました。飛行大学SFCでは、“ マイドローン”を操作することで、自分の身体で大学に行かなくても授業に出席することができます。
制作過程について
ドローンを操縦する際には、安全な飛行を行うことが求められています。本作では、ドローンに身体模型を付与するにあたり、軽量化と風の煽りを考慮した結果、PLAフィラメントを3Dペンで出力しています。フィラメントは1秒に3〜5㎜程度しか出力されません。このため、1つの模型を作るだけでも膨大な制作時間を要します。本作に登場する全ての模型は複数人の参加者によって制作されました。作り手によって模型の模様や形が異なるデザインが現れたことは偶然の産物でしたが、これはマイドローンならではの生身の人間とは異なる個性の現れではないでしょうか。
ストーリー演出は、飛行中のマイドローンを別のドローンで空撮したり、上空にいるマイドローンの特徴を反映することで飛行大学らしさを演出することにこだわりました。
本作は2020年に開催された未来の学校祭で展示されました。