
本作は、ドローンを用いた布の展開パフォーマンスができるファッションです。
これまで、ドローンと服が掛け合わされた表現の多くは、主にファッション業界で散見されてきました。それらの事例の多くは、服を吊るして飛ばすことを前提としない既製服をドローンに吊るすというハンガーとしての役割が大半でした。そこで本作では、ドローンを活かした服の設計を試みました。
私はドローンエンジニアではありません。親しいエンジニアに私の取り組みを見せると、普通は絶対にそのようなことはしない。素人だからできた発想だと思う。という評価が返ってきました。飛行機のスクリュー付近に飛行を妨げる余計なものがないことを思い浮かべていただくと、そのコメントの意味が解りやすくなるかもしれません。本作は、もともと関心を持っていたファッションという分野と、大学で出会ったドローンという分野が偶然にもマッチした結果誕生したものです。
空中展開を発現させる為には、布の選定、服の設計、ドローンの操縦方法などの要素を嚙合わせる必要があります。詳細については、『呼吸するファッションデザイン ドローンによる風圧を活かした布の動的表現 /著 松本夕祈』にまとめています。こちらには、世界のドローン×ファッション事例に関しての調査結果も掲載しています。